トノサマガエルは愛媛県レッドリストで絶滅危惧II類に選定されています。かつては松山市街や河川沿いの水田地帯にも広く生息していましたが、現在は珍しいカエルになってしまいました。特に平野部での減少が顕著です。
一方、久万高原町内では久万や美川などの水田地帯を中心にごく普通に見られます。この地で行われている「早期栽培」という田んぼに水が溜まっている期間の長い米作りの方法が、トノサマガエルの生活ととてもよくマッチしているのが理由の一つです。
また、山地特有の水の冷たさや傾斜などに対する農家さんたちの工夫(例えば、水を少し温めてから田んぼに引き込む水路をつくる)も長期に渡って水場を維持し、カエルたちが生きていきやすい環境を作っています。
久万高原町ではトノサマガエルを守るためにこういった米作りをしているわけではありません。農家さんたちが普段やっていることが、知らないうちに保全に役立っていたのです。
詳しい解説は以下のパンフレットにまとめていますので、ご覧ください。館内で無料配布しています。
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パンフレット「久万高原町の米作りで守られる愛媛の絶滅危惧種トノサマガエル」 [PDFファイル/6.47MB]
「ホトノサマ」はトノサマガエルがすむ久万高原町の水田環境を見守る精霊です。
お殿様のような立派な稲穂ちょんまげが目印。
トノサマガエルだけでなく、そのエサにもなる昆虫たち、逆にカエルを食べるヘビ、希少なクロゲンゴロウやガムシ、マルタニシ、ドジョウなど様々な田んぼの生き物たちを象徴しています。
博物館のミュージアムショップでは「ホトノサマ」ピンバッジを販売しています(1点800円)。
●送付・お問い合わせ先●
面河山岳博物館
〒791-1710 愛媛県上浮穴郡久万高原町若山650番地1
(電話:0892-58-2130 FAX:0892-58-2136)