「2024年度久万美コレクション展 新たな一歩 愛媛現代美術家集団の軌跡」チラシ [PDFファイル/1.23MB]
1965年、新しい一歩を踏み出すべく、立ち上がった美術団体が愛媛にあります。高階重紀(1912~84年)、岡本鉄四郎(1915~98年)、三輪田俊助(1913~2015年)らが結成した愛媛現代美術家集団(通称・現美)です。
戦後、文化復興の拠点として、美術作品を広く受け入れてきた愛媛県美術会(1952年設立)が主催する県展は、アカデミズム的な傾向やマンネリ化が目立ち、県展以外に発表の場を求める声も高まってきます。こうした動きの中から、「地方性的自己満足の泥沼におちいる事なく勇敢に行動をおこそう」という高階の宣言により、現美が結成されたのです。県展の具象絵画に対して、現美は抽象表現を志向しました。1971年、愛媛造形作家協会が結成され、先駆的な活動が始まる前段階の動向として注目されます。
ところで、現美の結成大会には、現代画廊(東京・銀座)の経営者であり、久万美術館ともゆかり深い美術評論家の洲之内徹(1913~87年)や田都画廊(松山・大街道)の経営者・坂本忠士(1918~93年)らが参加しました。洲之内は、避けられないであろう県展との対立を気にしつつ、団体の発展を祈る文章を愛媛新聞に寄せています。というのも、洲之内は戦前、岡本、三輪田らと共に、反県展・反アカデミズムを主張する青年美術家集団を結成し、県展の中心人物であった藤谷庸夫(1896~1962年)と論争を繰り広げた経緯があったのです。
1989年3月に開館した町立久万美術館は、2024年3月に開館35周年を迎えました。現美、青年美術家集団に参加した作家のほか、坂本氏の田都コレクションを紹介します。愛媛の美術文化の一時代を振り返り、将来に向けて一歩を踏み出す試みです。
その他、村山槐多《裸婦》や萬鉄五郎《T子像》といった久万美術館を代表する作品に加え、洲之内が経営していた『現代画廊』で個展を開催した作家について、収蔵品の中から紹介します。また、陶磁器のコーナーでは、よく知られている白磁に呉須で染付された砥部焼の他に、古砥部と呼ばれる江戸時代の砥部焼や、色鮮やかな絵付けが特徴的な五松斎窯の作品、淡黄磁など砥部焼の変遷を辿ります。
1 愛媛現代美術家集団+田都コレクション
高階重紀、岡本鉄四郎、三輪田俊助、工藤省治、筒井年男、菊澤尋吉、古茂田美津子など
2 青年美術家集団
青井辰雄、芥川永
村山槐多、萬鉄五郎、長谷川利行、北川毛窯、五松斎窯 など
新たな一歩 愛媛現代美術家集団の軌跡 作品リスト [PDFファイル/495KB]
2024年12月21日(土曜日)~2025年4月20日(日曜日)
9時30分~17時(入館は16時30分まで)
月曜日(ただし2025年1月13日、2月24日は開館)、2024年12月29日(日曜日)~2025年1月3日(金曜日)、14日(火曜日)、2月12日(水曜日)、25日(火曜日)
一般 | 500(400)円 |
高大生 | 400(320)円 |
小中生 | 300(240)円 |
※( )内は20名以上の団体料金、高齢者(65歳以上)、障害者手帳提示の割引料金、身体障害者手帳提示の付添い1名も()の額に割引
※3月22日(土曜日)、23日(日曜日)は開館記念日のためどなたも無料。
45台(無料)
日時:3月22日(土曜日)、23日(日曜日) 各9時30分~17時(入館は16時30分まで)
1989年3月23日に開館したことを記念して「無料開放デー」と「アート古書市」を実施します。
「アート古書市」とは図録や美術書を中心としたリサイクル図書の古書市です。古書市の書籍はご自由にお持ち帰りいただけます。
※書籍の売却、営利目的でのご利用はお断りしています。
※すべての書籍には「町立久万美術館」の押印や「リサイクル図書」のシールを貼付しています。
※お持ち帰り用の袋等は各自でご用意ください。
日時:2025年1月31日(金曜日) 18時30分~19時30分
夜の美術館にようこそ!昼間とは雰囲気の違うナイトミュージアムで、アートと天体観測を楽しんでみませんか?
詳細はイベントページをご確認ください。
日時:2025年3月15日(土曜日)、4月19日(土曜日) 10時00分~11時00分
お子さんと一緒に美術館で作品鑑賞をしてみませんか?
学芸員が美術館でのマナーを説明するので、初めての方も安心してご参加ください。
お子さんの感想を聞きながら、参加者全員で展覧会を鑑賞します。
詳細は後日、当館HPでお知らせいたします。
日時:2025年1月12日(日曜日)、2月23日(日曜日)、3月22日(土曜日) 各14時30分~
講師:当館学芸員
参加費:無料 ※要観覧券