工藤省治 -陶磁器デザイン展-
久万美術館では、その根幹である井部コレクションの蒐集者井部栄治氏が標榜した、前衛・異端と呼ばれた作家たちを見過ごさぬ見識・精神に合い通じる、新たな価値観の創造を目指す制作活動を続ける作家を取り上げる企画として、「工藤省治-陶磁器デザイン展-」を開催します。
工藤省治氏は、青森県の出身です。札幌美術学院、阿佐ヶ谷美術研究所で絵画を学んだ後、昭和32年に縁あって愛媛県砥部町の梅野製陶所に入所、そのまま砥部に移り住み、梅野製陶所での活動の一方「春秋窯」を開き、絵付けを主にした仕事を手掛けます。どちらかと言えば無骨な砥部焼きの特徴を生かしつつ、洗練された製品の制作に挑戦し、戦後の砥部における新しい陶磁器制作のリーダーとして、現在の砥部焼きの隆盛に果たした功績を見過ごすことはできません。
また、あまり知られてはいませんが、陶工の仕事から一歩離れた、平面における絵画やコラージュなどの制作も手掛けています。
本展では、陶磁器作品はもちろん、絵付けのデザイン画、絵画、コラージュなど、約150点により、いわゆる「陶芸家」にとどまらぬ「クラフトデザイナー工藤省治」を紹介します。
2002年4月19日~5月26日
町立久万美術館、愛媛新聞社
日本芸術文化振興財団
NHK松山放送局、南海放送、テレビ愛媛、あいテレビ、愛媛朝日テレビ、愛媛CATV、FM愛媛、上浮穴郡地方教育委員会連絡協議会
ギャラリートーク
「焼きものが生まれるまで」
5月12日
講師:工藤省治氏(陶芸家)