智内兄助展 -祈りは天へ-
久万美術館では、その根幹である井部コレクションの蒐集者井部栄治氏が標榜した、前衛・異端と呼ばれた作家たちを見過ごさぬ見識・精神に合い通じる制作活動を続ける作家を取り上げる企画として、「智内兄助-祈りは天へ-」を開催しました。
智内兄助は、地元愛媛県波方町出身の画家です。1980年代初めから、和紙にアクリル絵の具という特異な描法で、いわゆる日本画と洋画との境界を越え、現代の日本人としての絵画表現に取り組み、愛娘をモデルに着物姿の童女シリーズを描き続け、独自の芸術を産み出しました。
90年には第33回安井賞展佳作賞受賞。93年に手掛けた毎日新聞連載小説「藏」(宮尾登美子作)の挿絵は大きな話題となりました。近年は、宗教的なものから、魂、生命の尊厳に主題を求めた制作へと展開し、ますます意欲的に取り組んでいます。
本展では、アクリル画、藍瓶の作品など、新・近作を中心に35点により、幻想的な智内芸術を紹介します。
21世紀を迎え、目まぐるしく動く社会事象や様々な自然に取り巻かれる私たちを、しばし別世界へいざない、そして思索の時を与えてくれることでしょう。
2001年4月20日~5月27日
町立久万美術館 愛媛新聞社
財団法人よんでん文化振興財団、日本芸術文化振興財団
NHK松山放送局、南海放送、テレビ愛媛、あいテレビ、愛媛朝日テレビ、愛媛CATV、FM愛媛、上浮穴郡地方教育委員会連絡協議会
ギャラリートーク 対談
5月13日
講師:智内兄助氏 (画家)/川畑宜士氏(愛媛県立今治西高校教諭)