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コレクション展27年度2回目

ページID:0001084印刷用ページを表示する2017年10月19日更新

過去のコレクション展一覧

H27久万美コレクション展2

戦後を拓く ―高階重紀・三輪田俊助・田中坦三・森堯茂
戦後を拓くの画像

趣旨

戦後70年、さまざまに戦争が回顧されています。70年という長い時間は、戦争の記憶を風化させると同時に、戦争に対する新たな視点ももたらしてくれるように思います。その一つが、いわゆる「戦争画」ばかりではなく、戦時下の美術を幅広く知ることです。町立久万美術館では今秋、洋画家・岡本鐵四郎(1915-1998)が残した戦地のデッサンを初公開する企画展「岡本鐵四郎 戦地の手触り―戦後70年 甦るスケッチ」(9月12日~11月23日)を開催いたします。

それに先立つコレクション展では、青春期を戦争に奪われた愛媛の芸術家たち―高階重紀(1912-1984)・三輪田俊助(1913-2015)・森堯茂(1922-)に、このほど新たに収蔵した田中坦三(1918-2011)作品を加えて公開します。この4人は、愛媛で岡本と同時代を生きた作家でもあります。

彼らは自由とデモクラシーの時代である大正期に生まれながら、芸術家として生きる若い志を一時的にせよ戦争によって奪われました。さらに、終戦後の彼らには自らの芸術に進む一方で、戦争で荒廃した郷里の復興という任が担わされました。上京の夢を諦め、郷里の芸術振興を自らの使命とした作家もいます。

自由な表現が社会によって奪われるという環境を、今の私たちは想像しにくいように思います。今回のコレクション展では、青春を奪われながらも、戦後の美術を切り開いた作家たちを見直しました。それは戦後を生きる者の務めであり、現代を照射することにもなるのではないでしょうか。

会期 

2015年6月13日(土曜日)~9月6日(日曜日)