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コレクション展22年度1回目

印刷用ページを表示する2017年10月19日更新

過去のコレクション展一覧

H22久万美コレクション展1

彫刻とは何か―森堯茂の解

趣旨

久万美術館は本年度、一つの展示テーマを掲げます。それは、「わからないこと」です。

しばしば、「美術はわからない」と言われます。それならば、「わからないとは何か」を展覧会を通じて考えてみたいと思います。「わからないこと」をテーマにするとは、同時に「わかること」を見つめなおすことでもあります。

優れた作品とは、常に「美術とは何か」を問うた末に生み出されるものではないでしょうか。本テーマの第一弾は、1950~60年代、「彫刻とは何か」を問いながら制作を続けた作家・森堯茂を特集します。

森堯茂は1922年、愛媛県宇摩郡金田村(現在の四国中央市)生まれ。東京美術学校彫刻科(現・東京藝術大学)を経て、自由美術家協会会員として活動します。1950~60年代に開かれた展覧会に出品し、気鋭の彫刻家として注目を集めました。1965年以降は松山市に拠点を移し、現在も県内の現代美術をリードする作家として活躍しています。

そもそも、詩人であり、彫刻家であった高村光太郎は彫刻について次のように述べています。
「彫刻の本質は立体感にあります。それ故それを形成する要素は「塊」であります」
「彫塑総論」、1925年

近代の彫刻とは、「塊」(重量感)の「立体感」を生み出すことを表現の中心としていました。光太郎を筆頭として、ロダンの影響が色濃かった20世紀前半の日本の彫刻界では、こうした美学のもとに、ブロンズの人体像を中心とした具象作品が中心でした。

しかし、戦後になり、あらたな彫刻をめざす動きが活発になります。1950~60年代は日本の抽象彫刻の黎明期です。森堯茂が最も輝いたのは、この時期です。森堯茂は、コンクリートや白セメント・ブロンズ、また、鉄線に石膏や漆を組み合わせ、作品内部に透視空間を有する彫刻を制作しています。やがて、真鍮や鉄・ステンレスを素材に内部構造を強調した作品、適度な厚さの鉄板を使い、曲線的なフォルムを組み合わせた作品、円熟味を加えながら厳格でモダンな表現を生み出して行きました。これらの作品は、従来のような重量感・立体感の表現とは違った、透過性をもった軽やかなフォルムをもつ彫刻でした。 「彫刻」という言葉の持つ既成概念を崩すとは、翻れば「彫刻とは何か」を問うことです。「彫刻」の固有性を探求する中でしか、新たな価値を生み出しえないのではないでしょうか。「彫刻とは何か」―森堯茂のひとつの「解」をご確認ください。 

彫刻とは何か-森堯茂の解の画像

その他の展示

洋画では、日本の近代洋画を代表する高橋由一や浅井忠の作品をはじめとして、大正・昭和初期の前衛画家・村山槐多や萬鉄五郎らの作品を、やきものでは近世から近代にかけての砥部焼を展示します。

会期

2010年4月24日(土曜日)~6月20日(日曜日)