尋常を拔け居候-知られざる蔵山
尋常を拔け居候(じんじょうをぬけおりそうろう)
正岡子規は、禅僧・蔵山(ぞうざん/1715~1788)の書を、こう評しました。そう、「非凡だ」と言ったのです。ところが、蔵山という人物はあまり知られていません。寛政期の松山藩の名僧を指す「寛政八僧」の一人であり、また「松山藩の三筆」の一人とされる能書家であるにも関わらず、その実像は不明のままです。そこで、今回は「尋常を拔け居候―知られざる蔵山」と題して、高い精神性をうかがわせる墨蹟から蔵山について探ります。合併5周年を記念し、「久万高原町、再発見!」をテーマにした久万美術館の特集展示です。
今回は、そんな「尋常を拔け」た蔵山の墨蹟を、館蔵品の他、愛媛県美術館所蔵の作品や県内コレクター所蔵の作品など約10点を展観します。また、関連展示として、「松山藩の三筆」の明月・子礼の書、「寛政八僧」と呼ばれた大林寺・学信、千秋寺・妙庵の書の他に、盟友といわれる吉田蔵沢の墨竹画など約15点を展示します。どうぞ、「知られざる」松山藩の書の世界へ。
洋画では、日本の近代洋画を代表する高橋由一や浅井忠の作品をはじめとして、大正・昭和初期の前衛画家 萬鉄五郎らの作品を、やきものでは近世から近代にかけての砥部焼を展示します。
2009年11月28日~2010年2月14日