○久万高原町消防指揮隊運用要綱

令和4年3月25日

消防訓令第2号

(目的)

第1条 この訓令は、久万高原町消防警防規程に基づき、火災又は地震等の災害(以下「災害等」という。)現場における災害実態若しくは被害状況の把握を迅速に行い、部隊を効率的かつ安全に活動させるため、指揮隊の運用について必要な事項を定めるものとする。

(運用基準)

第2条 指揮隊は、管内における火災、救助及び特異・特殊な事案に対する消防活動について、現場活動の統括指揮にあたるものとする。また、多数の死者、傷病者を伴う救急活動についても同様とする。

(指揮隊等の編成)

第3条 指揮隊は、消防本部の職員により1隊3名で編成することを原則とする。

2 指揮隊長は、消防司令以上の階級をもって充てる。

3 指揮隊は指揮隊長のほか、指揮隊員1・2(指揮担当員、情報担当員)によって構成する。ただし、災害等の規模に応じて、人員を増減又は担当を兼務することができるものとする。

4 指揮隊は、指揮車両の運用を原則とする。ただし、必要によりその他の車両及び出動隊の車両で運用できるものとする。

(指揮権)

第4条 指揮隊長は、指揮権を明確にするため出動部隊及び消防署通信指令室(以下「指令室」という。)に対し指揮宣言を行うものとする。

2 指揮権は、指揮宣言をもって移行するものとし、次の各号に定めるものとする。

(1) 災害現場へ上級者が出場及び到着した場合、災害の状況等により上級者自ら指揮を執る必要があると認めるときは、指揮宣言を行うことで指揮権が移行するものとする。

(2) 指揮隊長は、前号の指揮体制に移行した場合であっても、現場指揮本部の中核として任務を遂行するものとする。

(3) 指揮権を移行する者は、速やかに現場の状況、移行までの間にとった措置、その他指揮の行使のために必要な事項を指揮隊長となる者に報告又は伝達しなければならない。

(指揮体制)

第5条 指揮隊活動を円滑に行うため、次の各号に定めるところにより活動を行うものとする。

(1) 先着消防隊の指揮者(以下「先着隊指揮者」という。)は、現場到着後指揮隊が到着するまでの間、指揮代行を宣言し現場指揮をとるものとする。

(2) 災害現場において、緊急に危険等が切迫している場合は、指揮系統を飛び越えて、命令・報告がなされる場合がある。この場合、各活動隊員は速やかに指揮隊長に報告しなければならない。また、報告を受けた指揮隊長は命令・報告内容等を出動部隊及び指令室へ周知しなければならない。

(指揮隊の責務及び任務)

第6条 指揮隊の責務は、次の各号に定めるものとし、指揮隊長は指揮業務を掌理する。

(1) 出場している消防隊等の統括指揮

(2) 情勢に適応する部隊配置の決定及び部隊運用

(3) 現場指揮本部の設置

(4) 消防活動方針の決定

(5) 安全管理の徹底

(6) 情報収集

(7) 状況報告、活動報告及び危険情報等における出動部隊及び指令室との情報共有

(8) 現場引継ぎ時の情報伝達の徹底

(9) 必要関係機関等への応援要請

(10) 人員及び装備、資機材等の応援要請

(11) 火災等の経過の把握

(12) 火災の推移の判断

(13) 効果的な現場広報

(14) 消防団等関係機関との堅密な連携

(15) その他必要な事項

2 指揮隊長は、必要に応じて指揮隊員に指揮隊長代行をさせることができる。

3 火災の鎮圧・鎮火の判定は、現場本部長及び消防団長と共に指揮隊長が現場を確認して協議・決定する。

4 指揮隊の役割分担は別表第1に掲げるものとする。

5 指揮隊の指揮活動要領は別表第2に掲げるものとする。

(現場指揮本部の設置等)

第7条 現場本部長又は指揮隊長は、第2条の規定に基づき災害現場における情報の収集、分析及び効率的な消防活動の指揮、統制、管理を行うため現場指揮本部を設置するものとする。ただし、災害が小規模である場合又は消防活動が短時間に終了すると見込まれる場合で、現場指揮本部を設置する必要がないと判断したときは、この限りでない。

2 指揮隊長は、現場指揮本部に関係機関の責任者等を参画させることができる。

3 現場指揮本部の指揮要領等は、別表第2に定めるものとする。

4 指揮隊長は、災害現場の状況経過及び消防活動の指揮、統制、管理を行うため、別表第3及び別表第4に定めるシートにより活動状況等を管理するものとする。

5 現場指揮本部の解散は、現場指揮本部長又は指揮隊長が災害現場の状況判断に基づいて、解散できるものとする。

(指揮活動報告)

第8条 災害防御活動に出動した指揮隊長は、指揮本部が設置された災害等について、指揮活動報告書(別記様式)に必要な資料を添付し、速やかに消防長に報告しなければならない。

(委任)

第9条 この訓令に定めるもののほか必要な事項は、消防長が別に定める。

この訓令は、令和4年4月1日より施行する。

別表第1(第6条関係)


分担業務

指揮隊長

(災害現場の総括)

1 現場指揮

2 指揮宣言

3 指揮本部設置有無の判断

4 現場状況の把握及び消防活動方針の決定

5 指揮増強の決定

6 消防部隊の増強、縮小又は交代の決定

7 出動隊員の安全管理の統括

8 火災警戒区域及び消防警戒区域の設定範囲の決定

9 消防団への指示

10 現場広報の統制

11 鎮圧及び鎮火の確認

12 再燃防止方法及び現場保存方法の決定

13 関係者等に対する連絡及び指示

指揮隊員1

(指揮担当員)

1 指揮隊長の補佐

2 消防部隊の管理及び活動状況の把握

3 出動隊員の安全管理

4 関係者及び関係資料の確保

5 指揮隊長の命令伝達

6 指令室との通信連絡

7 指揮代行

指揮隊員2

(情報管理担当)

1 指揮隊長の補佐

2 災害及び消防対象物の実態把握

3 付近の水利及び街区の状況把握

4 現場見取図、活動図等の作成

5 災害経過の記録及び整理

6 被害状況の記録及び整理

7 災害の原因調査に関する情報収集

8 現場広報の実施

9 関係機関との連絡調整

別表第2(第6条関係)

指揮活動要領

項目

覚知から途上

現着から初期

中期

後期

安全管理

指揮隊長

1 指令番地の確認

2 指揮隊員へ任務の具体的下命

3 先着隊からの情報把握

1 現場及び災害実態の把握

2 重要情報(作業危険、逃げ遅れ)の把握、周知、報告

1 消防活動状況の把握、活動部隊の任務履行状況の確認

2 活動方針の見直し

3 消防団長等及び関係機関の参画

1 活動方針の変更、活動部隊への周知

2 鎮圧、鎮火の確認、時期

3 部隊縮小の決定

4 報道対応

5 指令室に対する活動及び被害状況等の報告(火災即報)

1 危険要因の把握

2 安全監視

3 受傷事故発生時の対応

指揮担当員

1 途上視認状況の確認

2 気象状況の確認

3 警防計画の確認

4 通信指令室及び先着隊等からの情報確認、報告

1 火元建物実態把握、火点・延焼範囲の確認(住所、名称、構造用途、階層、延焼方向)

2 危険要因(人物作業、延焼)の把握

3 消防活動状況の把握と戦力分析

4 指揮本部の運営

1 火災の推移と部隊の活動状況の把握

2 出動隊の部隊管理

3 広報活動

1 転戦可能隊の把握

2 被害の把握

情報担当員

1 指令番地の確認

2 車両の運行

3 部署位置の確認

1 関係者の確保

2 逃げ遅れ情報、危険情報等の把握

3 写真撮影等の記録、整理

1 火点建物の状況把握

2 重要情報の分析、追跡、確認、報告

3 災害経過の記録及び整理

1 重要情報の追跡確認

2 死傷者の発生要因の確認

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久万高原町消防指揮隊運用要綱

令和4年3月25日 消防訓令第2号

(令和4年4月1日施行)