○久万高原町消防通信運用管理要綱
平成29年3月10日
消防訓令第7号
久万高原町消防通信運用管理要綱(平成17年久万高原町消防訓令第6号)の全部を改正する。
(趣旨)
第1条 この訓令は、久万高原町消防通信運用管理規程(平成17年久万高原町消防訓令第5号。以下「消防通信運用管理規程」という。)に基づき、通信運用管理上必要な事項を定めるものとする。
(用語)
第2条 この訓令に定める用語の意義は、次に掲げるとおりとする。
(1) 通信指令員 通信指令室で勤務し災害通報の受信や消防通信等を行う者をいう。
(2) 災害通報 消防報知専用電話によるもののほか、一般加入電話、自己覚知、駆付け等により災害を覚知することをいう。
(3) 一般受付 一般加入電話の受付のほか来訪者の受付を行うことをいう。
(通信指令室の勤務)
第3条 通信指令室で勤務する通信指令員は、次に掲げる事項を業務とする。
(1) 災害通報に関すること
(2) 消防通信に関すること
(3) 一般受付に関すること
(4) 気象観測に関すること
(5) 通信指令業務等の記録に関すること
(6) その他通信指令業務等に関すること
第4条 通信指令室の勤務は、消防通信運用管理規程第4条及び久万高原町消防職員服務規程(平成17年久万高原町消防訓令第8号)第47条並びに第48条に定めるもののほか、次に掲げる事項を遵守しなければならない。
(1) 通信指令員は、通信機器の機能を研究、熟知に努め、管内状況その他消防活動上必要な事項は、常に研究し熟知しておくこと。
(2) 勤務中に重要又は異例に関する事案が発生したときは、速やかに上司に報告し指示を受けること。
(3) 通常、通信指令室は勤務表により1人勤務とし、みだりに通信指令員以外の者を入室させてはならない。また、消防長が必要と認めたときは、通信指令員の変更及び複数勤務とすることができる。
(4) 通信指令室は、常に整理整頓に努めるとともに室内及び機器類の清掃を行うこと。
(災害通報の受信)
第5条 災害通報の受信は、次に掲げるところにより行うものとする。
(1) 消防報知専用電話からの着信があったときは、迅速かつ確実に処理し出動隊へ指令を出さなければならない。
(2) 消防報知専用電話及び一般加入電話に不確実な通報があった場合は、災害状況等の再確認に努めなければならない。
(3) 通信指令室の各トンネルモニター盤によって異常を確認し、119番通報がない場合は、確認出動の指令を行うと共に道路管理者へ連絡すること。
(4) 統合型位置情報システムにより災害発生場所を確認した場合であっても、通報者から近隣の居住者や目標物を聴取し災害発生場所を確実に特定すること。
(5) 消防報知専用電話に発信者番号非通知で着信があった場合、人の生命、身体に差し迫った危険があると認められ、位置情報システムから直ちに位置情報を得ることができない場合には、各電話事業者から通報者位置情報及び発番号の取得を行わなければならない。また、通報者位置情報及び発番号の取得を実施した場合は、その実績を明示した照会書により、1箇月に取得した実績を翌月の15日までに書留郵便等で電話事業者に報告するものとする。なお、強制取得がない場合においても同様とする。
(消防救急デジタル無線の取扱)
第6条 消防救急デジタル無線の取扱は、次に掲げるところにより行うものとする。
(1) 交信内容のうち、省略できる用語は、努めてこれを省き、簡易短文化を図ること。
(2) 無線通信要領は、別表第1のとおりとし、簡潔、明瞭、正確に送信すること。
(3) 無線通信で周囲の状況から判断して通常の用語を用いることが業務遂行に支障を及ぼすおそれがある場合は、別表第2の略語を使用すること。
(4) 火災、救急等災害が同時に発生し無線通信が混信すると判断した場合には、通信指令室から無線系統を指示しなければならない。
(5) 各応援協定に基づく出動の場合には、県波又は統制波を使用して運用するものとする。
(1) 緊急消防援助隊に出動時(訓練含める)には、応援出動先のチャンネルを確認し受援消防機関が使用しているチャンネル以外のチャンネルを使用するものとする。また、原則として応援大隊に属する小隊の隊員相互の通信のみ使用するものとする。ただし、混信等で活動に支障が生じた場合には、直ちに使用を停止するものとする。
(町防災行政無線の取扱)
第8条 町防災行政無線の取扱は、次に掲げるところにより行うものとする。
(1) 町内において建物及び林野で火災が発生した場合に報知を行うものとする。ただし、他の災害により人の生命、身体、財産等が危険にさらされるおそれがある場合はこの限りでない。
(2) 通信要領は、別表第3のとおりとし、簡潔、明瞭、正確に報知すること。また、遠隔制御装置の取扱に熟知しておくこと。
(3) 遠隔制御装置に異常を認めた場合は、町防災行政無線管理責任者に異常の内容及び発生原因を報告しなければならない。
(保守管理)
第9条 通信機器の保守管理は、次に掲げるところにより実施しなければならない。
(1) 通信機器は毎日手入れし、外観、機能等異常がないか確認すること。
(2) 通信指令室及び通信機械室は、温度管理を徹底し高温多湿を避けること。
(3) 無線機は、落下又は強打させないと共に水損防止に努め、取扱いに十分注意すること。
(4) 無線機は、降雨・降雪時及び火災現場等で使用したときは水滴及び汚れをよく拭きとり、特にアンテナの接触面は、さびないよう乾いた布でよく拭きとること。
(5) 無線機は、常に適正な充電状態を保つこと。また充電は、定期的に実施し充電端子がほこり等で接触不良にならないよう手入れすること。
(6) 無線機の保管は、直射日光の当たる場所及び高温・多湿の場所は必ず避けること。
(7) 無線基地局等の非常用発電設備の燃料は、定期的に燃料量を確認し補充すること。
(日常点検)
第10条 通信施設の日常点検は、通信従事者が感度・通話試験後に異常の有無を点検し、異常を発見した場合には通信管理者に報告しなければならない。
(定期点検)
第11条 基地局等の通信施設の定期点検は、無線施設点検表(様式第1号)に掲げる事項等を年2回以上通信係が実施し、点検結果を通信管理者へ報告しなければならない。
(臨時点検)
第12条 臨時点検は、通信管理者が必要に応じてその都度指示し通信責任者が実施するものとする。
(外部委託点検)
第13条 通信機器の性能測定・各部品の異常の点検及び交換を必要とする項目は、外部委託点検とし保守契約を結ぶことによって通信施設を完全に維持管理するものとする。
2 通信設備の外部委託点検は、民間業者と保守契約を結び行うものとする。
(記録)
第14条 通信業務上の記録は、次に掲げる区分によるものとする。
(2) 消防報知専用電話で災害通報を受信するときは、録音装置に記録しなければならない。また、録音記録は、年1回電子媒体に保存すること。
(3) 来訪者があったときは、来訪者記録簿(様式第3号)に記録しなければならない。
(4) 久万高原町火災予防条例(平成17年久万高原町条例第9号)第45条に規定する届出があったときは、直ちに職員に周知するとともに各種記録簿(様式第4号)に記録しなければならない。
(7) 通信施設に障害が発生した場合、通信従事者は通信関係障害発生記録(様式第9号)に記録しなければならない。
(8) 年2回各移動局等に搭載の全局について交信テストを実施し、消防無線全局交信テスト報告書(様式第10号)に記録しなければならない。
(保存期間)
第15条 前条各号に掲げる記録は、次に定める期間保存しなければならない。
(1) 永年保存 緊急電話記録媒体
(2) 5年間保存 緊急電話受信処理報告書・公聴処理表
(3) 3年間保存 消防無線業務日誌・消防無線業務日誌抄録・積雪量記録簿
(4) 1年間保存 その他の文書
(その他)
第16条 この訓令に定めるもののほか、通信運用管理に関し必要な事項は、消防長が別に定める。
附則
この訓令は、平成29年4月1日から施行する。
附則(令和元年8月28日消防訓令第2号)
この訓令は、公表の日から施行する。
附則(令和2年9月25日消防訓令第2号)
この訓令は、公表の日から施行する。
別表第1(第6条関係)
無線通信要領
(1) 通常の通信方法
項目 | 通信方法 | 留意事項 | |||
呼出し | 普通通話の呼出し 1 自局の呼出名称 1回 2 から 1回 3 相手局の呼出名称(又は識別名称) 1回 至急通話の呼出し 1 至急 2回(又は5秒の一斉音 1回) 2 自局の呼出名称 1回 3 から 1回 4 相手局の呼出名称(又は識別名称) 1回 | ① 識別名称 | |||
区分 | 内容 | ||||
各局 | 同一通信系を構成する無線局のすべてを呼出す場合 | ||||
各移動 | 同一通信系を構成する移動局のすべてを呼出す場合 | ||||
各隊 | 同一通信系を構成する移動局のうち災害出動中の移動局のすべてを呼出す場合 | ||||
② 普通通話を通話中の無線局は、他の無線局が至急通話の通信を行うための呼出し、又は通信開始の要求を聴取したときは、直ちに普通通話の通信を中止するものとする。 | |||||
再呼出し | 呼出しを行っても相手局の応答がないときは、その呼出しを行った無線局は、10秒以上の間隔をおいてさらに2回呼出しを行わなければならない。それでも応答がないときは、1分以上経過した後でなければ再呼出しを行ってはならない。ただし、他の通信に混信を与えるおそれがないと認められる場合、又は至急通話の送信をする場合はこの限りでない。 | ||||
呼出しの中止 | 混信を与える無線局の呼出名称が判明している場合 1 混信を与える無線局の呼出名称 1回 2 しばらく待て 1回 混信を与える無線局の呼出名称が不明の場合 1 しばらく待て 1回 | 自局の呼出しが他のすでに行われている通信に混信を与える旨の通知を受けたときは、直ちにその呼出しを中止しなければならない。 | |||
応答 | 通信指令室が普通通話の呼出しに対して応答する場合 1 相手局の呼出名称 1回 2 どうぞ 1回(又はしばらく待て) 通信指令室が至急通話の呼出しに対して応答する場合 1 至急 2回 2 相手局の呼出名称 1回 3 どうぞ 1回 通信指令室以外の無線局が普通通話の呼出しに対して応答する場合 1 自局の呼出名称 1回 2 です 1回 3 どうぞ 1回 通信指令室以外の無線局が至急通話の呼出しに対して応答する場合 1 至急 2回 2 自局の呼出名称 1回 3 です 1回 4 どうぞ 1回 | 直ちに受信できない場合は、「どうぞ」に代え「しばらく待て」を送信する。 | |||
不確実な呼出しに応答 | 1 自局の呼出名称 1回 2 です 1回 3 さらに 1回 4 どうぞ 1回 | ① 自局に対する呼出しであるが、呼出しを行った無線局の呼出し名称が不明である場合は応答するものとする。 ② 自局に対する呼出しであることが明かでない呼出しを聴取したときは、それが反復され、かつ、自局に対する呼出しが判明するまで応答しないものとする。 | |||
通話の送信 | 1 通信事項 2 どうぞ 1回 | ① 通信の途中において相手局を1分以上待たせる必要のあるときは、原則としてその通信を一度打切り、他の無線局に機会を与えなければならない。 ② 通信指令室は、出動指令等急を要する場合は、至急(又は「5秒の一声音1回」)2回の送信に引き続き通話の送信を行うことができる。 ③ 急を要する通話であって相手局の受信が確実である場合には、応答を待たずに呼出しに続けて通話の送信を行うことができる。 この場合、指令を受けた移動局の現場到着の報告及び引揚げをする時の通話等を含むものとする。 ④ 呼出しに対する応答があった場合は、相手局から「しばらく待て」の送信があった場合を除き、直ちに通話の送信を行わなければならない。 | |||
通話の解信 | 受信局が単数の場合 1 了解 1回 受信局が2以上の場合 1 自局の呼出し名称 1回 2 了解 1回 | ① 通話を受信したときは、折り返し解信を行わなければならない。 ② 受信局が2以上ある場合は、移動局にあっては、呼出し符号の数の少ない順とし、基地局は通信指令室の指示に従わなければならない。 | |||
再送要求 | 1 さらに 1回 2 どうぞ 1回 | 通話内容が不明確な場合、再送の要求を行うことができる。 | |||
解信の要求 | 受信局が単数の場合 1 了解か 1回 2 どうぞ 1回 受信局が2以上の場合 1 相手局の呼出し名称 1回 2 了解か 1回 3 どうぞ 1回 | 通話の送信終了後、約5秒以上経過しても受信局が解信しないときは解信の要求を行うことができる。 | |||
通信の修了 | 1 以上 2 時局の呼出し名称 | 通信の終了は、呼出しを行った無線局が送信しなければならない。 |
(2) 指令通信等の通信方法
項目 | 通信方法 | 留意事項 |
通信の開始 | 1 自局の呼出名称 1回 2 から 1回 3 相手局の呼出名称(又は識別名称) 1回 4 ―通信事項― | ① この通信方法は、指令通信のほか、これに類する通信方法にも準用する。 |
通信終了 | 1 以上 1回 2 自局の呼出名称 1回 |
(3) 試験電波の発射方法
項目 | 通信方法 | 留意事項 |
試験電波の発射方法 | 1 自局の呼出名称 1回 2 ただいま試験中 1回 3 本日は晴天なり 連続(約10秒で一度切る) | ① 感度試験の呼出しは、常に通信指令室から行うこと。 ② 感度試験は、勤務交替時の午前8時30分に実施するものとする。 ただし、災害出動中は混信を避けるために中止することができる。 |
別表第2(第6条関係)
無線略号
死亡 | プルスなし |
重傷 | オペの要あり |
結核 | テーベ |
てんかん | エピ |
精神病 | プシ |
異常分娩・流産 | ギネ |
骨折 | フルクツール |
脳溢血 | アポ |
警察 | クマ |
公務執行妨害 | 内線1 |
(死んでいる。) | ステットル |
CPA | 心肺停止 |
CPR | 心肺蘇生法 |
別表第3(第8条関係)
項目 | 通信方法 | 留意事項 |
火災放送の開始 | 1 操作画面の立ち上げ | 動作開始をクリックする。 |
2 緊急一括放送をクリック | ||
3 サイレンパターンを選択し呼出をクリック | 自動でサイレン吹鳴される。 | |
4 放送する | 例文 こちらは久万高原町消防署です ○○地区○○の○○さん宅が火災です。 該当する消防団は出動してください。 | |
5 終話をクリック | 「放送は正常に終了しました」と表示される。 | |
鎮火放送の開始 | 1 操作画面の立ち上げ | 動作開始をクリック |
2 緊急一括放送をクリック | サイレンパターンは選択しない。 | |
3 呼出をクリック | ||
4 上りチャイムをクリック | ||
5 放送する | 例文 久万高原町消防署から鎮火のお知らせです。 ○○地区○○の○○さん宅の火災は鎮火しましたのでお知らせします。 | |
6 下りチャイムをクリックし、終話をクリック | 「放送は正常に終了しました」と表示される。 |