4月29日から6月25日までの期間、面河山岳博物館において、令和5年度春の企画展を開催いたしました。
骨は「死」を連想してしまうなんだか不吉な存在。魚やフライドチキンを食べた後に残る「邪魔者」でもあります。しかし、私たちの体にもペットの犬にも骨があり、いつでもどこでも感じて触ることができるほど身近な存在です。
骨は体を支え、内臓や脳を守り、血を作る私たちに欠かすことができないもの。また、骨にはその動物がどんな暮らしをしているのか、どんな進化の道筋をたどったのかを知ることができる多くの情報が隠れています。そして、何よりも骨はかっこいい!特に頭骨や組み立てられた骨格標本には学術的な意味以上に、私たちを魅了する不思議な美しさが備わっています。
今回の展示では、岡山理科大学獣医学部と面河山岳博物館が所蔵する約120点に及ぶ哺乳類・鳥類の骨格標本を一堂に展示します。さあ、みなさんを普段は見えない骨の世界へご案内します。
面河山岳博物館
愛媛県上浮穴郡久万高原町若山650番地1
電話:0892-58-2130
Fax:0892-58-2136
2023年4月29日(土曜日)から6月25日(日曜日)まで
9時30分〜17時00分
(入館は16時30分まで)
一 般:300円(団体250円)
小中学生:150円(団体100円)
※団体は20名以上
※高齢者(65歳以上)および身体障害者手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳の所持者(介添者1名を含む)は所定額の半額
(1)いろいろな動物の頭骨標本を比べてみよう!
動物園でお馴染みの人気者、一般的に名前が知られている種の展示
・アフリカゾウ、シロサイ、キリン、ライオン、シマウマ、フタコブラクダ
・スナメリ、シロイルカ(海棲哺乳類)
・ショウガラコ全身骨格
・人体骨格模型
脊椎動物の頭骨の比較(鳥類、爬虫類の頭骨の特徴)
・モモイロペリカン、ケープペンギン、ベニイロフラミンゴ、ムジボウシインコ、シマフクロウ
・シャムワニ
(2)哺乳類の足について
歩き方と骨格の違いを足の組み立て骨格標本を使って解説
・蹠行性 ヒト、レッサーパンダ、ウサギ、カンガルー
・趾行性 チーター、ニワトリ(鳥類はほとんどが趾行性)
・蹄行性 ノマウマ、ゾウ(亜蹄行性)
(3)哺乳類の食性による頭骨と歯の違い
歯の形の違いと機能、眼窩の位置
食性別に頭骨を並べ、歯の形と歯の使い方、食べるものを解説。
・肉食性 シンリンオオカミ、ベンガルトラ、アシカ、チーター
・草食性 ノマウマ、ラマ、ゾウ、カンガルー、タテガミヤマアラシ
・雑食性 イノシシ、ニホンザル、マンドリル、ヒグマ
(4)哺乳類の角
角の構造(形成過程)から主要な4種類を解説。
・枝角 ニホンジカ
・洞角 ブラックバック、シロオリックス、ムフロン
・オシコーン キリン
・中実角 シロサイ
(5)家畜動物・ペット
人が作り変えてきた動物、家畜動物やイヌを頭骨標本で紹介
・ウシ
・ウマ 軽種馬、重種馬
・ブタ ブタとイノシシの頭骨の比較、中ヨークシャー種(甘トロ豚)
・イヌ トイプードル、シーズー、バーニーズ、フレンチブル(全身)
(6)獣医病理学研究の紹介
動物にも人と同じような病気がある、関節炎や歯の病気に関する標本展示
・去勢したニホンジカの枝角異常
・カンガルー病
・イヌの歯周病(歯がなくなっている)
・ミニチュアシュナウザー(腎不全に併発する骨疾患)
・トイプードル(水頭症)
・ウシの関節炎
(7)体験展示「骨を触ってみよう」
触ることのできる骨格標本を設置、触覚に訴える展示
・ウシの骨盤、イノシシ頭骨、ニホンジカの角
特別講演会「骨のかたちは進化の証」(参加者数:42名)
日 時:5月19日(金曜日)19~20時30分
講 師:奥田ゆうさん(岡山理科大学獣医学部講師)
参加費:100円
場 所:久万高原町産業文化会館ホール
特別講演会「獣医病理医が語る~動物の死から分かること~」(参加者数:61名)
日 時:6月16日(金曜日)19~20時30分
講 師:宇根有美さん(岡山理科大学獣医学部教授)
参加費:100円
場 所:久万高原町産業文化会館ホール