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平成15年度企画展

ページID:0001101印刷用ページを表示する2017年10月19日更新

過去の企画展一覧

町立久万美術館2003年度自主企画展【開館15周年記念】

生誕100年 重松鶴之助-よもだの創造力-
伊丹万作 中村草田男 伊藤大輔『楽天』の仲間たちとともに

趣旨

大正期、旧制松山中学に文芸や絵画の回覧雑誌「楽天」を発行したグループがありました。当時の雑誌「白樺」の影響を受けて、芸術家を志した少年たち。天衣無縫で奔放に生き、深い友情で結ばれた交流は青春伝説として、いまも語り継がれています。その「楽天」仲間に、画家重松鶴之助(1903-1938)がいました。

鶴之助は松山市生まれ。松山中を中退して上京。岸田劉生に心酔し、草土社風の絵画を残しています。春陽会、国画会に入選、大正15年には聖徳太子奉賛展に招待出品するなど活躍しましたが、昭和5年頃から左翼運動に奔走。検挙、投獄され、13年11月に獄中死。35歳という、短くも熱い青春を駆け抜けた幻のような人物でした。

今年は、鶴之助の生誕100年。かつて、まとまった形で紹介されたことのない夭折の画家鶴之助、初めての展覧会です。「楽天」仲間だった伊丹万作、伊藤大輔、中村草田男らの作品なども合わせた構成で、展示作品は鶴之助の代表作《閑々亭肖像》《父の肖像》をはじめ、万作《市河夫妻の像》、草田男の俳句《降る雪や》などに劉生、木村荘八らを加えた総数約75点。鶴之助、万作らが東京で発行した回覧雑誌《朱欒(しゅらん)》も、全国で初めて公開します。

伊予の方言「よもだ」が、この展覧会のテーマです。愛媛の先人には、「よもだ精神」を貫き通して異彩を放ち、功績を残した人物は少なくありません。美術、映画、文学と異なる分野で活躍した「楽天」仲間も、その系譜につながっています。彼らの青春の軌跡には反骨心や信念の固さ、ユーモア精神など「よもだの創造力」が溢れています。変革の時代と言われる今こそ、松山の白樺派青年との対話をお楽しみ下さい。

重松鶴之助-よもだの創造力-の画像

基本情報

期間 

2003年10月11日~11月16日

主催

町立久万美術館、愛媛新聞社

助成

日本芸術文化振興財団、財団法人UFJ信託文化財団

後援

NHK松山放送局、南海放送、テレビ愛媛、あいテレビ、愛媛朝日テレビ、愛媛CATV、FM愛媛、上浮穴郡地方教育委員会連絡協議会

主な展示作品

重松鶴之助の作品

《自画像》1922(大正11)
《閑々亭肖像》 1926(大正15)など油彩11点。ほか 水彩4点、素描3点、スケッチ帳 など
伊丹万作 ・伊藤大輔 ・中村草田男らの作品・資料
絵画《市川夫妻の像》《櫻狩り》《祖母の像(伝)》、書簡など

重松鶴之助「自画像」 の画像
重松鶴之助《自画像》

イベント

ギャラリートーク
「80年後に届いた恋文 」-回覧雑誌『朱欒 』について
10月11日
講師:中村弓子氏 (お茶の水女子大教授)

ギャラリートーク
「 『 楽天 』の先輩たち 」
11月1日
講師:中川悦良氏 (愛媛文化・進歩を考える会)