○久万高原町景観条例

令和元年9月25日

条例第9号

目次

前文

第1章 総則(第1条―第5条)

第2章 景観計画(第6条)

第3章 景観法に基づく行為の制限等(第7条―第16条)

第4章 景観重要建造物及び景観重要樹木(第17条―第26条)

第5章 景観審議会(第27条)

第6章 雑則(第28条)

附則

久万高原町民は、みどり豊かな自然と先人の築いた歴史的文化的資産の恩恵を享受し、良好な環境の下に生活してきた。

しかし、社会経済情勢の変化とともに開発の波が押し寄せ、みどりのふるさととでもいうべき本町の美しい景観が損なわれようとしている。

久万高原町民は、今こそひと・里・森がふれあい、ともに輝く元気なまちづくりを目指して、町民が健康で文化的かつ快適な生活ができる生活環境やみどり豊かな自然環境を保護し、優れた景観を保全し、創造していくことを決意し、町、町民及び事業者の協働と連携による景観形成の取組を一層推進するため、この条例を制定する。

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、景観法(平成16年法律第110号。以下「法」という。)第2条に規定する基本理念に立脚し、良好な景観の形成について町、町民及び事業者の責務を明らかにするとともに、法に基づく景観計画の策定、行為の規制等について必要な事項を定めることにより、町、町民及び事業者が相互に協力し、ひと・里・森がふれあい、ともに輝く元気なまちづくりに資することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 景観の形成 久万高原町らしい美しい景観を守り、育て、創造することをいう。

(2) 建築物 建築基準法(昭和25年法律第201号)第2条第1号に規定する建築物をいう。

(3) 工作物 建築基準法第88条第1項に規定する工作物のほか、規則で定めるものをいう。

(4) 屋外広告物 屋外広告物法(昭和24年法律第189号)第2条第1項に規定する屋外広告物及びこれを掲出する物件をいう。

(町の責務)

第3条 町は、良好な景観づくりを推進するための施策を策定し、これを計画的に実施する。

2 町は、良好な景観づくりを推進するため、町民及び事業者に対し、良好な景観づくりに関する知識の普及に努めるとともに施策の周知を図る。

3 町は、施策の策定及び実施にあたっては、町民及び関連する事業者の意見が十分に反映されるよう努める。

4 町は、公共施設等の整備を行う場合は、良好な景観づくりに先導的な役割を果たす。

5 町は、必要があると認めるときは、国若しくは他の地方公共団体又はこれらが設立した団体に対し、良好な景観づくりに関する協力を要請する。

(町民の責務)

第4条 町民は、自らが良好な景観づくりの主体であることを認識し、積極的にその役割を果たすよう努める。

2 町民は、景観形成基準を尊重し、良好な地域づくり、景観づくりの妨げになる行為を行わないよう努める。

3 町民は、町が実施する良好な景観づくり、まちづくりに関する施策に協力し、ともにその推進に努める。

(事業者の責務)

第5条 事業者は、事業活動の実施にあたって、良好な景観づくり、地域景観の維持・保全の妨げになることのないよう努める。

2 事業者のうち、建築物等の設計若しくは施工を業として行う者又は土地・建築物等の販売、賃貸の事業者は、事業活動の実施にあたっては、景観形成基準を遵守するとともに、専門的知識、経験等を活用し、積極的に良好な景観づくりに努める。

3 事業者は、町が実施する良好な景観づくり、まちづくりに関する施策に協力し、ともにその推進に努める。

第2章 景観計画

(景観計画の策定)

第6条 町長は、良好な景観の形成を総合的かつ計画的に進めるため、法第8条第1項の規定により、久万高原町景観計画(以下「景観計画」という。)を定めるものとする。

2 町長は、景観計画を変更しようとする場合は、あらかじめ景観審議会の意見を聴かなければならない。

第3章 景観法に基づく行為の制限等

(景観形成基準)

第7条 周辺の景観との調和に配慮した景観まちづくりを基本とし、景観形成基準(以下「基準」という。)を定める。

2 基準には、次に掲げる事項のうち必要な事項について定めるものとする。

(1) 建築物の位置、高さ、緑化、意匠形態及び色彩

(2) 工作物の位置、高さ、緑化、意匠形態及び色彩

(3) 開発行為における、周辺との調和、緑化、擁壁、法面、形状への配慮、修景及び樹木の伐採

(4) その他町長が必要と認めるもの

(景観計画区域内における行為の届出等)

第8条 景観計画区域内において、法第16条第1項又は第2項に掲げる行為をしようとする者は、町長に届け出なければならない。

(届出を要しない行為)

第9条 届出を要しない行為として法第16条第7項第11号の条例で定める行為は、次に掲げるものとする。

(1) 計画区域内の建築物の新築、増築、改築、外観を変更する修繕において、これらの行為による当該建築物の高さが15メートル以下又は建築延べ面積が1,000平方メートル以下のもの。ただし、模様替え又は色彩の変更については、変更部分が10平方メートル以下のもの

(2) 計画区域内の工作物の新設、増設、改築、外観を変更する修繕において、これらの行為による該当工作物の高さが15メートル又は築造面積が1,000平方メートル以下のもの。ただし、模様替え又は色彩の変更については、変更部分が10平方メートル以下のもの

(3) 都市計画法第4条第12項に規定する開発行為で、都市計画区域内においては、開発面積3,000平方メートル以下のもの、都市計画区域外においては、開発面積1万平方メートル以下のもの

(4) その他町長が認めるもの

(届出の時期)

第10条 第8条の規定による届出は、行為に着手する日の30日前までに行わなければならない。

(事前協議)

第11条 第8条に規定する届出の対象となる行為を行おうとする者又はその設計若しくは施工を請け負う者は、その届出の前に、町長に対して当該行為に関する事前協議を行わなければならない。

(基準の遵守)

第12条 景観計画区域内において、法第16条第1項又は第2項に規定する行為をしようとする者は、基準に適合するよう努めなければならない。

(助言及び指導)

第13条 町長は、第8条の規定による届出があった場合において、当該届出に係る行為が基準に適合しないと認めるときは、当該届出をした者に対し、景観の形成を図るため必要な措置を講ずるよう助言し、又は指導することができる。この場合において、必要があると認めるときは、あらかじめ景観審議会の意見を聴くものとする。

(勧告の手続、公表)

第14条 町長は、法第16条第3項の規定による勧告をしようとするときは、あらかじめ景観審議会の意見を聴くものとする。

2 町長は、法第16条第3項の規定による勧告を受けた者が正当な理由なくその勧告に従わないときは、その旨を公表することができる。

(行為の完了等の報告)

第15条 法第16条第1項又は第2項の規定による届出をした者は、当該届出に係る行為を完了し、又は中止したときは、規則で定めるところにより、速やかに町長にその旨を報告しなければならない。

(屋外広告物の表示等)

第16条 景観計画区域内において、屋外広告物の掲出、表示又は設置(これらに係る増設、改造、移設又は色彩若しくは表示内容の変更を含む。)を行おうとする者は、愛媛県屋外広告物条例(昭和39年条例第50号)及び同条例施行規則(昭和48年規則第25号)を遵守し、その行為が景観計画に適合するよう努めなければならない。

第4章 景観重要建造物及び景観重要樹木

(景観重要建造物の指定の手続)

第17条 町長は、法第19条第1項の規定による景観重要建造物の指定及び法第27条第2項の規定による景観重要建造物の指定の解除をすることができる。

2 景観重要建造物の指定又は指定の解除をしようとするときは、あらかじめ景観審議会の意見を聴くとともに、規則で定めるところにより、当該所有者等の同意を得なければならない。

3 町長は、景観重要建造物の指定又は指定の解除(法第27条第1項の規定によるものを含む。)をしたときは、その旨を告示するものとする。

(景観重要建造物の管理の方法と基準)

第18条 法第25条第2項の管理の方法の基準は、次に掲げるとおりとする。

(1) 景観重要建造物の修繕は、原則として当該修繕前の外観を変更することのないようにすること。

(2) 消火器の設置その他の景観重要建造物の防災上の措置を講じること。

(3) 前2号に掲げるもののほか、景観重要建造物の良好な景観の保全のために必要な措置を講じること。

(景観重要建造物の現状変更等の届出)

第19条 景観重要建造物の所有者等は、当該景観重要建造物の現状を変更し、又は当該景観重要建造物に係る所有権等を移転しようとするときは、規則で定めるところにより、あらかじめその旨を町長に届け出なければならない。ただし、通常の管理行為若しくは軽易な行為又は災害等のため必要な応急措置として行う行為で、景観の形成に支障を及ぼすおそれがないものについては、この限りでない。

(助言及び指導)

第20条 町長は、前条の規定による届出があった場合において、当該届出に係る行為により景観重要建造物の景観の形成上の価値が損なわれるおそれがあると認めるときは、当該届出をした者に対し、景観の形成を図るため必要な措置を講ずるよう助言し、又は指導することができる。この場合において、必要があると認めるときは、あらかじめ景観審議会の意見を聴くものとする。

(景観重要建造物の滅失等の届出)

第21条 景観重要建造物の所有者は、当該景観重要建造物が滅失し、若しくはき損した場合は、その旨を町長に届け出なければならない。

(景観重要樹木の指定の手続)

第22条 町長は、法第28条第1項の規定による景観重要樹木の指定及び法第35条第2項の規定による景観重要樹木の指定の解除をすることができる。

2 景観重要樹木の指定又は指定の解除をしようとするときは、あらかじめ景観審議会の意見を聴くとともに、規則で定めるところにより、当該所有者等の同意を得なければならない。

3 町長は、景観重要樹木の指定又は指定の解除(法第35条第1項の規定によるものを含む。)をしたときは、その旨を告示するものとする。

(景観重要樹木の管理の方法と基準)

第23条 法第33条第2項の管理の方法の基準は、次に掲げるとおりとする。

(1) 景観重要樹木の良好な景観を保全するため、せん定その他の必要な管理を行うこと。

(2) 景観重要樹木の滅失、枯死等を防ぐため、病害虫の駆除その他の措置を講じること。

(3) 前2号に定めるもののほか、景観重要樹木の良好な景観の保全のために必要な措置を講じること。

(景観重要樹木の現状変更等の届出)

第24条 景観重要樹木の所有者等は、当該景観重要樹木の現状を変更し、又は当該景観重要樹木に係る所有権等を移転しようとするときは、規則で定めるところにより、あらかじめその旨を町長に届け出なければならない。ただし、通常の管理行為若しくは軽易な行為又は災害等のため必要な応急措置として行う行為で、景観の形成に支障を及ぼすおそれがないものについては、この限りでない。

(助言及び指導)

第25条 町長は、前条の規定による届出があった場合において、当該届出に係る行為により景観重要樹木の景観の形成上の価値が損なわれるおそれがあると認めるときは、当該届出をした者に対し、景観の形成を図るため必要な措置を講ずるよう助言し、又は指導することができる。この場合において、必要があると認めるときは、あらかじめ景観審議会の意見を聴くものとする。

(景観重要樹木の滅失等の届出)

第26条 景観重要樹木の所有者は、当該景観重要樹木が滅失し、枯死し、若しくはき損した場合は、その旨を町長に届け出なければならない。

第5章 景観審議会

(景観審議会の設置)

第27条 町長の諮問に応じ、久万高原町らしい良好な景観の形成に関する重要な事項を調査し、及び審議するため、久万高原町景観審議会(以下「景観審議会」という。)を置く。

2 景観審議会は、次に掲げる事項について調査し、又は審議する。

(1) 第6条に規定する景観計画の変更に関する事項

(2) 第13条に規定する助言及び指導に関する事項

(3) 第14条に規定する勧告に関する事項

(4) 第17条第2項に規定する景観重要建造物の指定及び指定の解除に関する事項

(5) 第20条に規定する助言及び指導に関する事項

(6) 第22条第2項に規定する景観重要樹木の指定及び指定の解除に関する事項

(7) 第25条に規定する助言及び指導に関する事項

(8) 前各号に掲げるもののほか、良好な景観の形成のために必要な事項

第6章 雑則

(委任)

第28条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。

この条例は、令和元年10月1日から施行する。

久万高原町景観条例

令和元年9月25日 条例第9号

(令和元年10月1日施行)

体系情報
第8編 生/第5章 環境保全
沿革情報
令和元年9月25日 条例第9号