○久万高原町救急救命士運用要領

平成17年1月1日

消防告示第7号

(趣旨)

第1条 この告示は、救急救命士法(平成3年法律第36号。以下「法」という。)に基づき、救急救命士が医師の具体的指示を受けて行う救急救命処置(以下「特定行為」という。)を実施する場合における、医師の指示、指導、助言体制の運用について必要な事項を定める。

(定義)

第2条 この告示において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 救急救命士とは、法第2条第2項に規定する救急救命士(以下「救命士」という。)をいう。

(2) 救急救命処置とは、法第2条第1項の規定により救命士が実施する処置をいう。

(3) 特定行為とは、救急救命処置のうち、法第44条の規定により救命士が医師の具体的な指示を受けて実施する処置をいう。

(4) 指示病院とは、救命士が特定行為を実施するにあたり、必要な医師の具体的な指示を受けるため、「救急救命処置に関する覚書」を締結した医療機関をいう。

(5) 「心肺停止」並びに心肺機能停止状態・CPA(cardio pulmonary arrest)とは、次の状態が観察された状態をいう。

 心肺機能停止状態

心臓機能停止かつ呼吸機能停止状態の場合をいう。

 心臓機能停止状態

心電図上において、心室細動、心静止、無脈性電気活動、無脈性心室頻拍(脈なしVT)の場合又は臨床上、意識がなく、頸動脈、大腿動脈(乳児の場合は上腕動脈)の拍動が触れない場合をいう。

 呼吸機能停止状態

観察、聴診器等により観察した結果、自発呼吸をしていないことが確認された場合をいう。

(6) バイタルサイン(vital sign)とは、意識・呼吸・脈拍・血圧及び体温等、生きていくうえで必要な、また、身体が健康な状態であるかを示す生命徴候をいう。

(医師の具体的指示の受理体制)

第3条 法第44条の規定による具体的な指示(以下「指示」という。)は、指示病院に勤務する医師(以下「指示病院医師」という。)から受けるものとする。

2 救命士と指示病院医師との連絡方法は、指示病院に設置した電話により行うものとする。

3 救急事案覚知時に特定行為が必要と予想される場合は、事前に指示病院に連絡し、指示医師の確保を行うものとする。

4 指示病院医師との連絡は、原則として携帯電話等により救命士が行うものとする。

(特定行為の実施範囲)

第4条 特定行為を実施する傷病者は、心肺機能停止状態及び心肺機能停止状態でない重症傷病者とする。この場合において、次の各号のいずれかに該当するときは、特定行為を実施しないものとする。

(1) 親族が拒否したとき。

(2) 救急事故現場の状況・傷病者の傷病状況から実施できないとき。

(3) 静脈確保のため、末梢静脈を駆血しても静脈路が確認できない等、特定行為の実施が技術的に困難なとき。

(4) 気管挿管のため、挿管行為をプロトコルに従って実施しても、喉頭蓋等が視認できない等、特定行為の実施が技術的に困難なとき。

(5) 心原性ショックが強く疑われるとき。

(6) くも膜下出血が疑われ、血糖測定のための皮膚の穿刺による痛み刺激が傷病者にとって不適切と考えられるとき。

2 特定行為を実施する場所は、救急車内又は傷病者を救急車内に収容するまでの間において、救急救命処置が必要と認める場合とする。

3 第1項各号に規定する事項により特定行為を実施できないときは、特定行為以外の救命処置を行うものとする。

(特定行為の活動範囲)

第5条 特定行為は、中予地域メディカルコントロール協議会の定める「救急救命処置に関するプロトコル」指示を受けて実施する。

2 特定行為にかかる救急救命処置の活動にあたっては、次に定める事項に十分留意して活動すること。

(1) 特定行為を実施する場合、必要に応じて救急現場の家族及び関係者等へ、次の事項について説明を行うものとする。

 傷病者の観察結果

 処置の内容及びその必要性

 搬送先医療機関名

3 指示医師と救命士とは、次にしたがって常に緊密な連携を図ること。

(1) 救命士は、医師の具体的指示を求めるに際して、次の事項を伝えるものとする。

 傷病者の年齢、性別及び既往症等

 心肺機能停止状態を確認するに至ったバイタルサイン等の観察結果

 心肺機能停止状態に至った機序

 現在行っている救急救命処置の内容

 医療機関到着までの所要時間

 その他医師が求めた事項

4 救急現場へ医師が臨場している場合は、次にしたがって緊密な連携を図ること。

(1) 救急現場に医師が臨場している場合又は臨場した場合は、当該医師の指示に従い活動するものとする。

(2) 臨場医師との連携にあたっては、救命士である旨を当該医師に告げて活動するものとする。

(3) 臨場医師の指示内容と当該運用要領の内容とが異なる場合は、その旨を当該医師に説明し、了解を求めるものとする。

5 特定行為を実施した救命士は、医師に救命士である旨を告げ、次の事項について引き継ぐものとする。

(1) 事故発生年月日及び時分

(2) 事故概要

(3) 傷病者の住所、氏名、性別及び年齢

(4) 症状、観察結果及び処置結果

(5) 指示を受けた医師の氏名及びその指示内容

(6) 実施した特定行為、その他の救急救命処置内容

(7) 患者監視装置等の観察資器材による記録データ

(8) 特定行為実施者の職及び氏名

(9) その他必要事項

6 救命士が行った特定行為等については、次に定める事項について、救命士は記録を行わなければならない。

(1) 救命士は、医師から指示を受けたときは、その指示内容を記録しなければならない。

(2) 救命士は、特定行為を実施したときは、次の事項を救急救命処置記録票(別記様式)=事後検証票に記載し、5年間保存しなければならない。さらに、中予地域メディカルコントロール協議会の指定する医師による、救急活動についての検証を受けなければならない。

 救急救命処置を受けた者の住所、氏名、性別及び年齢

 救急救命処置を行った者の氏名

 救急救命処置を行った年月日

 救急救命処置を受けた者の状況

 救急救命処置の内容

 指示を受けた医師の氏名及び指示内容

(問題発生時の対応)

第6条 救命士の運用に関して問題が発生したときの対応は、「救急救命処置に関する覚書」に基づき問題の処理を行うものとする。

(施行期日)

1 この告示は、平成17年1月1日から施行する。

(経過措置)

2 この告示の施行の日の前日までに、解散前の上浮穴郡生活環境事務組合救急救命士運用要領(平成7年上浮穴郡生活環境事務組合要領第14号)の規定によりなされた処分、手続その他の行為は、それぞれこの告示の相当規定によりなされたものとみなす。

(平成29年6月26日消防告示第4号)

この告示は、公表の日から施行し、平成29年5月1日から適用する。

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久万高原町救急救命士運用要領

平成17年1月1日 消防告示第7号

(平成29年6月26日施行)