○久万高原町みどりのふるさと環境条例
平成16年8月1日
条例第136号
目次
第1章 総則(第1条―第5条)
第2章 生活環境の保全(第6条―第13条)
第3章 自然環境及び景観の保全
第1節 景観形成基本方針(第14条・第15条)
第2節 景観モデル地区(第16条―第21条)
第3節 住民参加(第22条)
第4節 啓発及び助成(第23条・第24条)
第4章 雑則(第25条―第28条)
第5章 罰則(第29条―第32条)
附則
久万高原町民は、みどり豊かな自然と先人の築いた歴史的文化的資産の恩恵を享受し、良好な環境の下に生活してきた。
しかし、社会経済情勢の変化とともに開発の波が押し寄せ、みどりのふるさととでもいうべき本町の環境が損なわれようとしている。
久万高原町民は、今こそひと・里・森がふれあい、ともに輝く元気なまちづくりを目指して、町民が健康で文化的かつ快適な生活ができる生活環境やみどり豊かな自然環境を保護し、優れた景観を保全し、創造していくことを決意し、ここにみどりのふるさと環境条例を制定する。
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、他の法令に特別の定めがある場合のほか、ひと・里・森がふれあい、ともに輝く元気なまちづくりを目指す本町のみどり豊かな自然や歴史的文化的資産を後世に継承するため、美しい自然環境、魅力ある景観、良好な生活環境の保全と創造、開発との調和を図り、もってみどり豊かで町民にとって誇りと愛着の持てるふるさとの醸成に資することを目的とする。
(定義)
第2条 この条例において「生活環境」とは、現在及び将来の住民が健康で文化的な生活を確保することのできる環境をいう。
2 この条例において「自然環境」とは、人の生活に密接な関係のある土地並びに人の生活に密接な関係のある自然の動物、植物及びその生育環境をいう。
3 この条例において「景観形成」とは、優れた自然環境や景観を保全し、又は創造することをいう。
4 この条例において「排出水」とは、水質汚濁防止法(昭和45年法律第138号)第2条第5項に定めるもののうち町長が別に定めるものをいう。
5 この条例において「悪臭物質」とは、悪臭防止法(昭和46年法律第91号)第2条第1項に定めるもののうち町長が別に定めるものをいう。
6 この条例において「騒音」とは、騒音規制法(昭和43年法律第98号)第2条第1項に定める特定施設から発生する騒音であって町長が別に定めるものをいう。
7 この条例において「振動」とは、振動規制法(昭和51年法律第64号)第2条第1項に定める特定施設から発生する振動であって町長が別に定めるものをいう。
8 この条例において「ばい煙」とは、大気汚染防止法(昭和43年法律第97号)第2条第1項に定めるもののうち町長が別に定めるものをいう。
9 この条例において「粉じん」とは、大気汚染防止法第2条第4項に定めるもののうち町長が別に定めるものをいう。
(町の責務)
第3条 町は、みどり豊かな環境と景観づくりのために総合的な施策を実施しなければならない。
(事業者の責務)
第4条 事業者は、事業の実施に当たっては、みどり豊かな環境や景観を保全するため自らの責任において必要な措置を講じなければならない。
2 事業者は、町が実施するみどり豊かな環境と景観づくりに関する施策に積極的に協力しなければならない。
(町民の協力)
第5条 町民は、町が実施するみどり豊かな環境と景観づくりの施策に積極的に協力しなければならない。
第2章 生活環境の保全
(地域の指定)
第6条 町長は、住民が衛生的かつ文化的な日常生活を保持するため必要があると認めるときは、生活環境保全地域として指定し、施設等から排出する汚水、廃液、悪臭、騒音、振動、ばい煙及び粉じんを規制することができる。
(規制の範囲)
第7条 前条の規定による指定地域における排出規制の範囲は、町長が別に定めるところによる。
(施設の届出)
第8条 生活環境保全地域において町長が別に定める施設(以下「規制施設」という。)を設置する事業者は、次の事項を届け出なければならない。
(1) 氏名又は名称及び住所並びに法人にあってはその代表者の氏名及び所在地
(2) 工場又は事業場の名称及び所在地
(3) 施設の種類及び構造
(4) 施設の使用の方法
(5) 施設から排出される汚水、廃液、悪臭物質、騒音、振動、ばい煙及び粉じんの処理方法
(6) 周辺住民の同意書その他町長が定める事項
(同意)
第9条 町長は、前条の規定による届出があったときは、周辺地域住民の生活環境を損なうおそれがないと認めるときは、同意しなければならない。
(勧告及び改善命令)
第10条 町長は、地域住民の生活環境が著しく損なわれるおそれがあると認められる規制施設を有する事業者に対して改善の勧告をすることができる。
2 町長は、前項の規定により勧告を受けた者が、その勧告に従わないときは、相当の期限を定めて、その勧告に係る措置をとるべきことを命ずることができる。
(経過措置)
第11条 一の施設が、規制施設となった際、現にその施設を設置している者(設置の工事をしている者を含む。)であって、排出水、悪臭物質、騒音、振動、ばい煙及び粉じんを排出するものは、当該施設が規制施設となった日から30日以内に町長に届け出て同意を得なければならない。
(事業者に対する助成)
第12条 町長は、事業者が生活環境を保持するための施設を設置する場合は、これに必要な資金のあっせん及び予算の範囲内で助成することができるものとする。
(適正管理の要請)
第13条 住民の生活環境が著しく損なわれるおそれがあると認められるときは、町長は、河川等若しくは道路の管理者又は土地若しくは施設の所有者若しくは管理者に対し、適正な管理を要請することができるものとする。
第3章 自然環境と景観の保全
第1節 景観形成基本方針
(景観形成基本方針の策定)
第14条 町は、町内の景観形成に関する基本方針(以下「景観形成基本方針」という。)を策定するものとする。
(景観形成基本方針の遵守)
第15条 町民及び事業者は、景観形成基本方針を遵守し、自然環境と景観の保全及び創造に努めなければならない。
第2節 景観モデル地区
(モデル地区の指定)
第16条 町長は、次の各号のいずれかに該当する地域のうち、特に町民に親しまれ、かつ、町民の誇りとなる自然環境や景観を有する地域又は新たに優れた景観を創造するべき地域を景観モデル地区(以下「モデル地区」という。)として指定することができる。
(1) 山、高原、河川等のみどり豊かな自然環境を有する地域
(2) 神社、寺院、遺跡等歴史的文化的資産を有する地域
(3) 主要な道路に沿った地域
(4) 公共施設が集積している地域又はその集積が見込まれる地域
(5) 優れた自然景観を有する地域
2 町長は、モデル地区を指定しようとするときは、久万高原町みどりのふるさとの環境を守る審議会の意見を聴かなければならない。
3 町長は、モデル地区を指定しようとするときは、規則で定めるところにより、その旨を公告し、当該公告の日から2週間公衆の縦覧に供しなければならない。
4 町長は、前項の規定による公告を行うときは、あらかじめ、説明会の開催等指定の趣旨及び内容の周知に関し必要な措置を講じなければならない。
6 町長は、第3項の縦覧期間満了後、当該モデル地区の指定に関し広く町民の意見を聴く必要があると認めるときは、公聴会を開催することができる。
7 町長は、モデル地区を指定するときは、その旨及びその区域を告示し、その関係図書を公衆の縦覧に供しなければならない。
8 モデル地区の指定は、前項の規定による告示によってその効力を生じる。
(モデル地区基本計画)
第17条 町長は、モデル地区を指定するときは、当該モデル地区における景観形成に関する基本計画(以下「モデル地区基本計画」という。)を定めなければならない。
2 モデル地区基本計画には、次に掲げる事項を定めるものとする。
(1) 景観形成のための基本的かつ総合的な方針に関する事項
(2) 景観形成のための基準の策定に関する事項
(3) 景観形成のための指導、助言及び要請に関する事項
(4) 前3号に掲げるもののほか、景観形成に関し必要な事項
(行為の届出)
第18条 モデル地区内において次に掲げる行為をしようとする者は、あらかじめ規則で定めるところにより、その旨を町長に届け出なければならない。
(1) 建築物その他工作物の新築、改築、増築、移転若しくは撤去又は外観の変更
(2) 木竹の伐採
(3) 規則で定める植物の採取
(4) 屋外における物品の集積又は貯蔵
(5) 鉱物の掘採又は土石の採取
(6) 土地の形質の変更
(7) 広告物の設置又は外観の変更
(適用除外)
第19条 前条の規定は、次に掲げる行為については、適用しない。
(1) 通常の管理行為、軽易な行為その他の行為で規則で定めるもの
(2) 非常災害のために必要な応急措置として行う行為
(3) 国又は地方公共団体が行う行為
(4) モデル地区が指定され、又はその区域が拡張された際既に着手している行為
(指導等)
第20条 町長は、第18条の規定による届出があった場合において、当該届出をした者に対し、当該モデル地区基本計画に基づき、必要な措置を講ずるよう指導し、助言し、又は要請することができる。
2 町長は、前項の規定による処分をしようとする場合においては、あらかじめ事業者の出頭を求めて聴聞を行わなければならない。
第3節 住民参加
第22条 町民及び事業者は、みどりのふるさとの環境を守るための自主的な活動を通じて、美しい町づくりに積極的に参加するように努めなければならない。
第4節 啓発及び助成
(啓発)
第23条 町長は、町民及び事業者に対し、みどりのふるさとの環境を守るための施策に関する知識の普及等啓発に努めるものとする。
(助成)
第24条 町長は、景観形成に努めようとする者に対し、必要な技術的援助を行うことができる。
2 町長は、モデル地区内において景観形成のために必要な措置を講ずる者に対し、技術的援助を行い、又は予算の範囲内において、その者の申出により当該措置のために必要な経費の一部を助成することができる。
第4章 雑則
2 審議会は、前項に規定する事項に関し、町長に意見を述べることができる。
3 審議会は、委員12人以内で組織する。
4 委員は、町民及び学識経験のある者のうちから町長が委嘱する。
5 委員の任期は2年とし、再任は妨げない。ただし、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。
6 前各項に定めるもののほか、審議会の組織及び運営に関し必要な事項は、規則で定める。
(監視員)
第27条 町長は、自然保護及び景観保全のため必要があると認めるときは、久万高原町自然環境監視員(以下「監視員」という。)を置くことができる。
2 監視員は、町長がこれを委嘱し、又は任命するものとする。
3 監視員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者の請求があるときは、これを提示しなければならない。
第5章 罰則
第31条 第26条の規定に違反して報告をしなかった者は、20万円以下の罰金に処する。
附則
(施行期日)
1 この条例は、平成16年8月1日から施行する。
(罰則に関する経過措置)
4 この条例の施行の日の前日までにした行為に対する罰則の適用については、なお合併前の条例の例による。