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久万美術館の展覧会(企画展)


・2016年度自主企画展「風景の向こう-喜多村知・松田正平」

風景の向こう風景の向こう

■趣 旨
喜多村知(1907-1997)は一見、抽象画に見えるほどの具体的な形態を放たれたフォルムと、ワインカラーを主調としたにじみを帯びた 色彩で多くの風景を描きました。一方、松田正平(1913-2004)はあたかも天真爛漫な子どもが描いたかのような自由な筆遣いとそのマチエールで、独自の世界を切り開きました。
町立久万美術館2016年度自主企画展「風景の向こう―喜多村知・松田正平」では、二人の洋画家、喜多村と松田の風景画を取り上げます。喜多村は能生港(新潟県糸魚川市)や外川漁港(千葉県銚子市)など、自らの心を捉えた漁村の風景を主題としました。一方、松田は瀬戸内海に浮かぶ祝島(山口県上関町)を描き、それらは《周防灘》シリーズと呼ばれています。
二人は自らの心に響いた名もない景色に目を凝らし、厳しさと親しみを持って風景に対峙しました。そして、その風景に基づき、自らの 表現を模索する中で、喜多村は抽象画と見まがうほどに解体された風景画を、松田は厳選された色と形で美しく闊達な風景画を描きました。「風景画」とはつまり、画家が見た現実の風景の向こうに立ち上がってくるものなのです。
喜多村と松田はどちらも美術評論家の洲之内徹(1913-1987)が見出した画家としても知られています。萬鉄五郎や村山槐多の発掘により、日本の近代美術史を補完した洲之内は、喜多村・松田を「自分のスタイルを頑固に守って、流行や時代の好尚に合わせて自分をかえるということをしない」ゆえに愛しました。戦後、アンフォルメルや抽象表現主義などの絵画、あるいは表現素材の多様化が進む中で、二人は油絵による表現を追求し続けました。
明治以降、日本に定着した油絵による風景画は、時代の移り変わりとともに美術のメインストリームから遠ざかったように見えます。
しかし、二人の風景画は日本における油彩画の歴史を紡ぐものとして、今も変わらぬ輝きを放っているのです。

喜多村知(1907-1997)
関東州大連(現中華人民共和国遼寧省)生まれ。戸籍上の郷里は島根県津和野町。京都絵画専門学校(現京都市立芸術大学)、川端画学校に学ぶ。1929年帝展に初入選、1941年には新文展で特選受賞。1938年から国画会に出品(1989年退会)。1976年から洲之内徹の現代画廊で個展をほぼ毎年開催。1995年下関市立美術館で、2000年には北御牧村立梅野記念絵画館・ふれあい館(現東御市梅野記念絵画館・ふれあい館)にて回顧展が開かれた。

松田正平(1913-2004)
島根県鹿足郡青原村(現・鹿足郡津和野町)生まれ。1937年、東京美術学校(現東京藝術大学)卒業後、2年間渡仏。1941年国画会展に初入選、1951年会員となる。1984年日本芸術大賞(財団法人新潮文芸振興会)受賞。代表作に瀬戸内海に浮ぶ祝島を描いた《周防灘》シリーズなど。2013年には生誕100年を記念した回顧展が山口県立美術館、神奈川県立近代美術館で開催された。

基本情報
【展 示】  喜多村知・松田正平の絵53点及び資料類約18点
【主 催】  久万高原町、町立久万美術館、愛媛新聞社、愛媛CATV
【後 援】  NHK松山放送局、南海放送、テレビ愛媛、あいテレビ、愛媛朝日テレビ、FM愛媛
愛媛県、愛媛県教育委員会、久万高原町教育委員会
【助 成】  一般財団法人自治総合センター、芸術文化振興基金、公益財団法人花王芸術・科学財団
【会 期】  2016年(平成28)9月10日(土)〜11月23日(水・祝)
【開館時間】 9時30分〜17時(入館は16時30分まで)
【休館日】  月曜日と祝日の翌日(ただし、9月19日・10月10日は開館)
[ 観覧料 ] 前売り一般500円 ※前売り券は8月中旬より県内プレイガイド等で発売開始
一般800(500)円、高大生500(400)円、小中生400(300)円
※( )内は20名以上の団体、高齢(65歳以上)・身障・療育各手帳の提示の際の割引料金
【駐車場】  45台(無料)

【関連事業】
*ギャラリーコンサート「音楽の景色」
演奏:仲田眞弓(クラリネット)×谷口敬子(ピアノ)
日時:9月10日(土)15時〜16時

*ギャラリートーク「しゃがんで、そして転がって」
講師:坪内稔典(俳人・京都教育大学名誉教授)
日時:10月2日(日)14時〜15時30分

*ワークショップ「薫りたつ風景」
内容:久万美術館周辺の風景を構成する自然物を集めて、香りで風景を再構成します。
また、作成した香りから思い浮かぶ風景を描いてみるワークショップです。
講師:工藤波夫(デザイナー/NAMIO KUDO DESIGN)
日時:10月15日(土)10時〜12時30分
定員:10名程度(事前申込が必要)

※ギャラリーコンサート・トーク、ワークショップは観覧料のみでご参加いただけます


過去の企画展





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